旅のかわら版　埼玉県比企郡嵐山町　千年の苑ラベンダー園

2023-06-222023-11-06

旅の情報等を広く旅の情報等を広く浅く紹介します。
「沈黙」をもたらす優美な香りが漂う園、『千年の苑ラベンダー園』です。

いつも通勤で利用する駅構内には、数年続いたコロナ禍の終息もあり、各地の観光を呼びかけるポスターが踊っている。
視線を奪われ、魅了されたのが、豊潤に色づいたラベンダー畑の写真だ。
紫色の鮮やかな色彩からは、ラベンダー特有の優しい香りまでもが想像できる。
ラベンダーまつりの会場となる嵐山（らんざん）町へ行く予定日を、スケジュール表をにらんで早速検討する。

来訪日当日の天気は雨。
雨天での自然散策は気が引けるも、ラベンダーを身近に感じたい強い思いが、足をまつり会場へと向かわせる。
今日の外出の友である傘を広げて、身体に打ちつける雨水をしのぐ。
頭上ばかりでなく、ぬかるんだ土を踏み込む足元にも注意を払い、慎重に歩を進める。
園内一面に広がるラベンダーは、雨露の恵みを受けて鮮やかな色彩を放ち、優美な香りを漂わせていた。
平日の雨天日であるせいか、園内の人影はまばらだ。
広々とした園内をゆったりとした気持ちで散策し、紫の小さな花々が創り上げる安らぎの世界に酔いしれる。

ラベンダーの花言葉の一つは「沈黙」らしい。
決して怖い意味などではなく、その香りがリラックスできる気分をもたらし、落ち着いた状態を作るという意味だ。
紫色の花が絨毯のように広がるラベンダー畑は、見る者の心を洗い、穏やかな世界に引き込んでくれる。
精神の安定以外にも、殺菌や防虫、鎮痛などの効果が期待できるラベンダー。
駅構内のラベンダーが写るポスターに視線を奪われ、魅了されたのは、自明の理だったのかもしれない。